この一年と、2022年への抱負

2022 年 01 月 01 日

あけましておめでとうございます。

去年はこちらの個人ブログはほとんど更新することがなく、年の後半からはさまざまな事情で発信ができない状況が続いていました。

それでも、細々と捻出する小さな時間を使って、納得のゆくアウトプットを二冊の本につなげることができました。

共著で参加させていただいた「仮想空間とVR」は、VRという本来ならば専門外の話題についてできる限りの情報を集めることに成功しましたし、さらにはいま注目されているメタバースの話題にもひと足早く踏み込むことができました。2021年3月の段階で、FacebookがMetaへと社名変更する半年前に「メタバース」についての本を出すことができたのは幸運でした。

Lifehacking.jpの集大成として出版した「ライフハック大全」の新書版、「ライフハック大全 プリンシプルズ」を出すことができたのも嬉しい出来事でした。企画から、実際に形をとるまでが困難だっただけに、実際に本になった嬉しさもひとしおです。

もう一度、こつこつと

2021年は、私にとって自分の限界と常に戦う一年でした。本業の研究でも、ふだんの生活でも、自分が望むほどには高いところに手が届かない焦りと対峙してばかりで、精神的には幸福な状態から離れている時間のほうが長かったように思います。

そうした状況が、新年を迎えたからといって急に変わるわけがないことは、年齢が教えてくれた小さな知恵といえるでしょう。人はそう簡単に変わることができないというのは、絶望であると同時に自分自身が根をもった存在であるという慰めでもあります。

そんな内省を踏まえたうえで、2022年は次の10年にむけた、こつこつとした情報の蓄積のための最初の一歩になる予感がしています。

なにもゼロから始めるわけではありませんが、すでに読んできた本、すでに考えてきたこと、すでに手掛けている仕事を手がかりにして、おぼろげながらみえている次の山へと向かうとっかかりの一年というべきでしょうか。

ですので、あらためて書くまでもないことかもしれませんが、今年はもう一度自分の数少ない美徳である「しつこさ」にまかせて、こつこつを何かを積み上げる日々を忠実に繰り返すことに集中したいと考えています。それは:

こつこつと読むこと

こつこつと書くこと

こつこつと伝えること

この3つにほかなりませんが、もちろんそれは「誰よりも読むこと」でも「誰よりも書くこと」でも「誰よりも伝えること」ではありません。

自分が読むべきものを読み、自分が書くべきことと向き合い、伝えたいと思っていることを遠慮せずにタイムリーに発信することという、自分自身との戦いを忠実に続ける中で見つけられる言葉を探すこと。これしかないのです。

そういうわけで、今年はこのブログはそうした個人的な、評価の定まらない発信を中心に行い、もっと情報密度の濃い発信はSNSや、YouTubeやLifehacking.jpのほうで続けていこうと考えています。

いま感じている手応えが形になる日が来るように、祈りながら新しい年を始めたいと思います。

この一年で読んで良かった本

久しぶりの更新ということもあって、ブログ用のHugoサイトのレイアウトと、背後に動いているデータを更新していたついででもありますので、去年に読んで楽しい時間を過ごすことができた本も特にメモなしに列挙しておきたいと思います。

カズオ・イシグロ「クララとお日さま」

ローラン・ビネ「HhHH: プラハ、1942年」

アンディ・ウィアー「プロジェクト・ヘイル・メアリー」

Adam Grant, “Think Again”

劉慈欣「三体 III 死神永世」

ウィンストン・ブラック「中世ヨーロッパ ファクトとフィクション」

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堀 正岳 (Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。

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